【ガチ検証】福岡は住みやすいって本当?忖度なしで現地民が調査してみた

住みやすい街として知られる福岡県。実際に福岡に住んでみると、居心地が良くてずっと住んでいたいと思う移住者の方も少なくありません。

しかしその一方で、「そうは言っても遠いし引っ越すのは気が引ける」という方もいらっしゃるでしょう。本記事では、実際に福岡県に暮らす現地民の視点で、福岡は住みやすい街なのか、どんな理由で住みやすいのか、住みやすいエリアはどこなのか、という点について徹底的に解説します。

世界一周を経て、各国の都市を巡った代表のたくやをして「福岡が一番いいわ……」と言わせる魅力は何なのか。忖度なしで評価していきましょう。

そもそも住みやすい街の基準とは

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住みやすさとは、人々が快適に生活できる環境のことを指します。具体的には、以下のような要素が挙げられるでしょう。

  • 生活環境:住宅、交通、医療、教育、安全性などが良好である。
  • 自然環境:豊かな自然が身近にあることや、公園・緑地などの施設が整備されている。
  • 文化環境:美術館・博物館・劇場・図書館などの施設が充実している。イベントが盛んに開催される。
  • 生活費:物価や家賃が安い。結果として出費が抑えられる。
  • コミュニティ:地域社会が活発で、人々が交流しやすい環境が整っている。
これらの要素が整っている地域は、住民にとって快適な生活環境が揃っているため住みやすいと言えるでしょう。
これらの基準に照らし合わせつつ、福岡県は本当に住みやすいのか検証してみましょう。まずはそれぞれの基準について詳しく見ていきます。

福岡の生活環境

福岡市内は比較的家賃が安く、住みやすいと言われています。市内の各地域には、賃貸物件やマンションが豊富にあり、生活に必要な施設や店舗にもアクセスしやすいです。また、博多湾沿岸には高級住宅地もあるため、様々な住環境があります。多様なニーズを受け入れられるという意味でも「住みやすさ」は担保されていると言えそうです。

また、福岡市内は地下鉄やバスが発達しており、市内の移動は非常に便利。国内でも有数のバスが多い県として知られており、地下鉄の路線網を外れたエリアへ行く際にも困ることはありません。地下鉄から直通の博多駅からは新幹線が、地下鉄終点の福岡空港からは飛行機が利用できるので、日本各地や海外へのアクセスも良好。都市のコンパクトさが叶えた交通の利便性は福岡の住みやすさの一端を担っていると言えるでしょう。

福岡の自然環境

福岡市内には、海や山、川などの自然が身近にあり、市内には多数の公園や緑地が整備されています。また、福岡市内から車で三十分ほど走れば自然に囲まれた温泉地やリゾート地へのアクセスも可能。市内にも自然は溢れていますが、市外へも出やすいため、より濃密な自然体験を求める方にとっても魅力的な土地と言えるでしょう。

市内でおすすめの自然を楽しめる場所はいくつかありますが、個人的なおすすめは以下のスポットです。

大濠公園

福岡市中央区にある大規模な公園。中央に大きな池があり、周囲には桜の木やツツジなど、四季折々の自然を楽しめます。同公園内には美術館やカフェも揃っており、季節や時間帯を問わず楽しめる憩いのスポットです。

福岡市動植物園

福岡市中央区にある、植物園と動物園が併設されている観光スポット。園内には、アジアゾウやシロクマ、ホッキョクグマ、ペンギン、キリン、ライオンなどの動物展示に加え、人気イベントの「夜の動植物園」も開催されるなど、子どもから大人まで楽しめる癒し空間となっています。

福岡市動植物園は、福岡市内からアクセスが良く、地下鉄の駅である「薬院大通駅」から徒歩で向かうのが一般的。家族連れやカップル、グループなど様々な人々に親しまれています。

福岡の文化環境

福岡はアジアの玄関口であり、九州随一の都市でもあります。国内外から流れ込む文化を受け入れてきた背景もあり、多様な文化が渦巻く独特な文化圏を形成していると言えるでしょう。その一例として、福岡の特徴ともいえる文化環境をご紹介。

博多祇園山笠

福岡市博多区で毎年7月に開催される「博多祇園山笠」は、福岡の夏の風物詩として知られています。山笠とは、山車を担いで神社を巡る祭りで、夜明け前から始まり、夜明けとともに宵山、最終日の追い山と続きます。全国的にも有名なお祭りで、博多や中州を中心に福岡が熱気に包まれる様子は必見です。

福岡市美術館

福岡市中央区にある福岡市美術館は、美術品の常設展示のほか、企画展も開催されています。近代美術から現代アートに至るまで多彩なコレクションが展示されており、九州出身のアーティストの作品を中心に様々な美術品が閲覧可能。文化の潮流を感じられる静謐な空間は、企画展が開催される日や休日には県内外からの来場者で賑わいます。

福岡の生活費

住みやすさと聞いてまず気になるのが生活しやすさ。生活しやすさの大部分を占めているのが「生活費」でしょう。福岡は生活費が安い街としても知られていますが、実際にはどれくらいの生活費がかかるのでしょうか。

福岡での一ヶ月の生活費は、個人のライフスタイルや生活水準によって異なりますが、一般的な生活費の目安は以下のとおりです。

  • 家賃: 市内中心部の賃貸アパート(一人暮らし)場合は約5万円〜8万円程度が相場。
  • 光熱費: 電気、ガス、水道の合計で、1人あたり1万円〜2万円程度。
  • 食費: 1人あたり2万円〜3万円程度。
  • 交通費: バス、地下鉄、電車などを利用する場合、月額定期券がある場合は、1万円程度。
  • 通信費: スマートフォンの契約費用など、1人あたり1万円〜2万円程度。
  • 日用品・娯楽費: 衣服、化粧品、レジャーなどの費用を含め、1人あたり2万円〜3万円程度。

トータルすると、福岡での一ヶ月の生活費は最低でも約5万円以上、一般的には10万円〜15万円程度が目安でしょう。家賃に関してはさらに詳しく調査した記事があるのでそちらも参考にしてみてください。

福岡で一人暮らしにかかる費用をエリア別に解説!各エリアの特徴も紹介

福岡のコミュニティ

先述したように、福岡は多様な文化が入り混じった独特の風土を持つ都市。それを象徴するように、人々が集って形成されるコミュニティにも多様性が生まれています。ここでは、さらに細かく福岡のコミュニティについて見ていきましょう。

  • 外国人コミュニティ: 福岡は日本の中でも有数の国際都市の一つであり、多くの外国人が暮らしています。アジアのみならず、欧米や北欧からの移住者や観光客も少なくありません。外国人のための英会話スクールや国際交流イベントなど、外国人同士が交流できる場が数多く存在するのは大きな魅力です。
  • ゲームコミュニティ: 福岡はゲーム業界が盛んで、多くのゲーム制作会社が存在します。同様に、ゲーム開発者も多く集まっています。ゲームに関するイベントやコミュニティが盛んで、ゲーム好きな人々が集まって交流できるのも福岡の特徴でしょう。
  • スポーツコミュニティ: 福岡はスポーツが盛んな地域。プロ野球チームのソフトバンクホークスの本拠地でもあり、プロサッカーチームも有する福岡県では、観戦だけでなく実際にスポーツに取り組む人が多いです。社会人サークルも豊富で、サッカーや野球、バスケットボール、ラグビーなど多様なスポーツが楽しめます。
  • イベントコミュニティ: 福岡では、多くのイベントが開催されています。音楽フェスティバルやアートイベント、食の祭典など、多種多様なイベントが開催されているので、好みのイベントに参加すればすぐに同じ趣味や関心を持つ人々と仲良くなれるのが魅力です。
  • ビジネスコミュニティ: 福岡は経済的にも活気があり、多くのビジネスマンや起業家が活動しています。起業しやすい街としてのブランドが確立されており、スタートアップやフリーランスを多く輩出している街と言えるでしょう。ビジネスに関するセミナーや交流会、コワーキングスペースなども熱気があり、ビジネスコミュニティは少なくありません。

以上のように、福岡には多様なコミュニティが存在しています。個人の趣味や関心に応じて、自分に合ったコミュニティに参加することで、新しい友人を作ったり、価値観を共有する人々と出会ったりできるでしょう。

福岡の住みにくさやデメリットは?

「絶対ダメ」の写真[モデル:大川竜弥]

様々な要因で住みやすい街としての地位を確立している福岡。それでは、福岡に住みにくさは存在しないのでしょうか。いいえ、存在します。

ここからは、住むことで生じるデメリットについてもご紹介します。

  • 天候の不安定さ
    福岡は、季節や時間帯によって天候が急激に変化することがあります。特に夏場は暑く、梅雨時期には長雨が続くことがあるため、気象条件に対する耐性が必要です。
  • 交通渋滞
    福岡市内においては、朝夕のラッシュ時には交通渋滞が発生することがあります。特に市街地の中心部や主要な交差点周辺は混雑しやすく、移動に時間がかかることがあります。
  • 人口密度の高さ
    福岡市は人口密度が高く、住宅地や商業地域が密集しているため、騒音や賑やかさなどの問題が発生することがあります。治安の問題も生じやすく、比較的治安のよい住宅街に住むのがお勧め。
  • 地震や台風などの自然災害
    福岡は地震や台風などの自然災害が発生することがあります。地震に備えるためには、非常用品や備蓄食品の準備が必要です。とくに台風は毎年訪れますが、強力な台風が直撃する際にはスーパーやコンビニも休業するため、福岡に住むなら台風への対策を講じる必要があるでしょう。
  • 就職や転職の競争率の高さ
    福岡は多くの大学や短期大学があり、新卒者や転職希望者が多いため、就職や転職において競争率が高くなることがあります。県内の大企業や優良企業は倍率が高くなりやすいため、就活を控えている方は入念な準備と調査を進めておくとよいでしょう。

福岡での生活はどんな人に向いている?

「福岡市街」の写真

メリットやデメリットを比較検討してみると、いかに福岡と言えど一概に「住みやすい街」とは言えません。しかし、多くの方にとって住みやすい街であることも事実。これらのデメリットを踏まえ、福岡にはどのような方が向いているのかを分析してみました。

都市生活を楽しみたい人

福岡は、九州最大の都市であり、大都市ならではの便利さや充実した文化施設、ショッピングやグルメスポットが多くあります。都市ならではの先進性や利便性、活気のある生活を楽しみたい人にはおすすめでしょう。

若い方も多いため、同年代の友人と楽しくわいわい生活がしたい人は、福岡市の中心に近いエリアでの生活が合っていそうです。

自然に囲まれた生活をしたい人

福岡には、市街地から車で1時間程度の距離に自然豊かな山や海があります。福岡市内にも多くの自然スポットがありますが、少し車を走らせて市外や県外へ足を運べば、ひと気のない雄大な大自然に触れられるのが魅力。阿蘇の大山脈や別府の温泉郷、博多港からフェリーで向かう五島列島など、日本でも有数の観光地に囲まれているため気が向いたらすぐに迎える気軽さもメリットです。

普段は都市に暮らして、休日は大自然に囲まれたい、という良いとこどりな生活が実現できるのは福岡の魅力であり、そうしたライフスタイルを望む方にとってこの上なく住みやすい街と言えるでしょう。

外国人との交流を求める人

福岡は、アジア各国からの留学生や旅行者が多く訪れるため、外国人との交流がしやすい環境にあります。また、福岡市内には国際交流イベントが多く開催されており、外国人との交流が深められるでしょう。語学力を磨きたい方にとっても魅力的な街と言えそうです。

食文化に興味がある人

福岡は、博多ラーメンをはじめとする多彩な食文化があります。また、新鮮な海産物や地元産の野菜も豊富で、グルメに興味がある人にはおすすめ。個人の飲食店がひしめき、そのどれもが安価で高いクオリティのご飯を提供してくれることには感謝しかありません。

体感ですが、東京では1500~2000円くらいかけなければ食べられない味が1000円前後で食べられるような気がします。

温暖な気候を好む人

九州北部に位置する福岡は温暖な気候であり、年間を通して比較的温かい気候が続きます。降雪もほとんど無いため、ぽかぽかした陽気の中で生活を送りたい方にとっては魅力的な立地です。

住みやすい街「福岡」の生活を楽しもう

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全国でも有数の「住みやすい街」として知られる福岡県。この記事では現地民の視点も交えて福岡の住みやすさを検証してみました。福岡には「住みやすい」と言われる理由がいくつかあることが分かりましたが、その一方でデメリットも存在します。それらを包括したうえで、福岡に向いているのは以下のような人です。

 

福岡に向いているのはこんな人

  • 都市生活を楽しみたい人
  • 自然に囲まれた生活をしたい人
  • 外国人との交流を求める人
  • 食文化に興味がある人
  • 温暖な気候を好む人
これらに当てはまる方はぜひ福岡での生活を検討してみてください。きっと心地よい生活が待っていますよ。
また、遠方への引っ越しで気になるのが「引っ越し費用」や「転居にかかる契約や準備」でしょう。実は福岡はいくつもシェアハウスが存在する街でもあります。一人暮らしを検討している方は、ぜひシェアハウスへの入居も検討してみませんか。
福岡最古のシェアハウス「またたび」では、家族型シェアハウスというコンセプトのもと、国籍や年齢を問わず、初めましての誰かと本当に仲良くなれるよう日々を送っています。
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