シェアハウスで人と仲良くなるためにはどうしたらいい?

こんにちは、福岡シェアハウスまたたび代表の渡辺拓也です。

たくやです。「コミュニケーション上手だよね」ってよく言われます。

新メンバーが入居してくると、毎年この「住んでる人たちといい感じに仲良くなるにはどうしたらいいかな?」というテーマにぶち当たります。

実はこの悩みは新メンバーだけでなく、迎える側の旧メンバーも抱えていたりするものです。ということで、僕なりの視点で解説してみます。役に立つといいなぁ。

目次

1、【基本のき】相手に興味を持ってみる

自分に興味を持ってくれる人間を、人は好きになる

「自分に興味を持ってくれる人間を人は好きになる」というのが人間の本質であり、特性です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ここをきちんと抑えているかどうかで「自称・コミュニケーション上手」「リアル・コミュニケーション上手」かの違いになります。

興味とは、愛である

興味とは、言い換えれば「愛」とも言えます。
マザー・テレサ曰く、「愛の反対とは、無関心である」。であるならばその逆は、「愛とは、関心を持つことである」とも言えます。(実際マザー・テレサはこの台詞言ってないらしいですけど。笑)

つまり、「愛」≒「関心」≒「興味」って感じですね。
「仲良くなりたい」ってことはつまり「自分のことを(ちょっと)好きになってもらいたい」ということです。であるならば、自分から相手に「好きだよ~(=関心あるよ、興味あるよ~)」ってことを示さなければいけません。

とは言え、直接「好きです」なんて言うのは告白まがいのようでとても言えません。(言える人は既に恋愛上級者か人たらしなので問題ありません。)

だから、直接「好き」って言う形以外で相手に興味や関心を示しましょう。

【Tips】「興味なんて持てねぇよ!」って人へ

pixivよりお借りしました

クラウド「興味ないね…」

本気で興味なんて持てない人もいるかもしれません。もしくは真面目に考えすぎてしまう人とか。全然問題ありません。

めちゃくちゃ蒸し返してしまう話かもしれませんが、別に心から興味なんて持ってなくていいです。実際難しいですしね、誰に対しても心からの興味を持つというのは。

大事なのは自分の気持ちより相手の気持ち

大事なのは、相手が「あ、この人、私に興味を持ってくれているのかな」と感じることです。もっと言うと、相手に「あ、この人、私に興味を持ってくれているのかな」と感じさせてしまえばいいのです。

だから、あなたが「本当に」相手に興味があるかどうかはぶっちゃけどちらでもいいです。要はその本心が相手にバレなければ。笑

バレたら即、相手の気持ちは冷めていきます。だから、そんな人たちは「テクニック」と割り切ってみてください。「超一流の贋作(偽物の作品)」は、時に「三流の本物」に勝ります。(身も蓋もない言い方ですけどね。笑)

2、【意外に難しい】相手の話を聞いてみる

相手を主語で話してみる

では実際に相手と話す段になったとしましょう。そのとき注意したいのは、「”自分が主語”ではなく、”相手が主語”で話をしてみること」です。
具体的に言うと、「俺が」「私は」よりも「あなたは」「◯◯ちゃんは」という主語で話してみることです。

人によっては「自分の話をしなければ…!」と一生懸命に話そうとしてしまう人もたまにいますが、あんまりその努力は必要ありません。人というのは、「自分の話をちゃんと聞いてくれる人」というのが好きなものです。

話の比率は、「7:3」を意識してみる

相手の話と自分の話の比率をだいたい「相手7:自分3」くらいにしてみてください。相手の話をメインに、会話時間の7割を使ってみること。「相手5:自分5」にしていると思っている場合、実際には自分が喋りすぎてしまっていることが実はとても多いです。

そして自分が話すターンになったときも、「◯◯ちゃんはそう思うんだね」「◯◯くんはさ、」という話し方が有効です。相手を主語にして話すことができれば、「ただ自分は黙って聞くだけ」という状況も回避することができます。

僕も自分では「話し上手だ」と思っているものの、人から悩み相談を受けたり深い対話をした後には「聞いてくれてありがとう」や「聞き上手だよね」「話せて良かった」なんて言われます。人は話を聞いてほしい生き物だということを忘れずにいたいものです。

3、【ポイント高い】相手の話を肯定してみる

みんな「あなたは正しい」って言われたい

SNSでは「いいね!」を欲しいがために、多くの人が日々更新しています。「SNS中毒」という言葉が生まれるくらい、人というのは「他者からの承認や肯定を求める特性」を持っています。

「誉め上手は、喜ばせ上手」なんて言葉もありますが、誉めるまではいかなくとも、「いいね」と肯定してあげることから始めてみましょう。

具体的には「なるほどね」とか「へぇ、いいね」とか「良かったじゃん!」とか「それは嬉しかったね~!」「めっちゃいいじゃん!」などになります。簡単な受け答えの、簡単な肯定で充分です。

【男女あるある】このやり方している人は注意!

逆に悪い例で言うと、男女あるあるなのですが、女性が「今日こんなことがあってさ、◯◯って思ったんだよね~」に対して、何も挟むことなく「でもさー、」とか「いや俺はこう思うんだよね」とかで返しちゃう例です。

女性(いや、人の話を聞け。いったん肯定しろ。今、おまえの意見なんか聞いてないしどうでもいい。)ってのがリアルなんじゃないでしょうか。笑
これはもちろん女性だけではないですし、男性でも例えば「自分が話をしてもすぐ被せてくる嫌な上司」なんかがこれに当たると思います。

肯定してあげるだけでいい

大事なのは、「いったん相手の話を最後までちゃんと聞いて、受け止めてあげる」「いったん肯定してあげる」ことだけです。話の展開はその後からでもいくらでもできますからね。

4、【奥が深すぎ】質問してみる

何故やらない?質問するだけで興味は示せる

「相手への興味を示す」のに、最も有効な手段のひとつが「質問」です。

「質問って言っても何を聞いていいかわかんないんだよね~」って人も多いかと思います。雑談のような軽い会話と、内面を話すような深い対話をするのでは、質問の内容も自然と違ってきます。

ここでは、またたびでよく耳にする質問を紹介してみます。

【なんで~?】感情や価値観を知る質問

「◯◯ちゃんは、なんでそれに興味を持ったの?」
「◯◯ちゃんは、どうしてそれをやってるの?」
「◯◯ちゃんは、なんでそう思ったの?」

またたびでいちばんあるタイプの質問です。「なぜ~?」というのは、「理由」や「動機」を聞く質問ですが、本質的には「気持ち」や「感情」を知ろうとする質問です。

例えば「なんで、シェアハウスに住もうと思ったん?」って質問すると、最初はきっとその人の「経緯」を話してくれると思います。その後も「ふんふん」と相槌を打ちながら聞いていくと(←3、肯定してみる)、「実はそのとき◯◯な気持ちで~」「なんかやったことないことやってみようと思って~」などと出てきたとします。

価値観を分かち合えると、人は相互理解の信頼関係を築ける

つまり、相手の「考え方」や「価値観」に行き当たります。
そこで「◯◯ちゃんにも◯◯な気持ちになったりすることあるんだね」とか「やったことないことに挑戦するのとか好きなんだね」など、相手の考え方に理解を示したり、肯定的なコメントができます。

実際にまたたびでは、浅い会話から深い対話に移行する際、9割近くが「なんで◯◯はそう思うん?」って質問から始まります。

【◯◯が好きなの?】シンプルだけど強力

「◯◯は、アニメ好きなん?」
「◯◯くん、めっちゃラーメン行くよね。好きなん?」
「◯◯、カラオケ行ってきたんだ~、歌うの好きなの?」

なんか会話レパートリーになってきた。笑
けど僕もめっちゃ言います、この質問。相手の話してくれた話題を、表面上だけで終わらせてしまうのはもったいないです。そうやっていても、表面上の会話だけで終わってしまうからです。

好き嫌いは理由のいらない最強の価値観

「◯◯が好きなの?」は、「好き嫌い」という最強の価値観を知る質問です。その後に、

  • 「なんで好きなの?」(価値観)
  • 「なんで好きになったん?」(キッカケ)
  • 「いつから好きなん?」(経緯、深み)
  • 「どこがそんなに好きなん?」(ポイント局所掘り)

といくらでも掘っていけます。
「好き嫌い」の話に正解はありません。ただその人の「感じ方」や「考え方」があるだけです。そして会話や人間関係において、その人の「感じ方」や「考え方」を知ることはとても大きいことです。

相手は「自分をことを知ってもらえている」と思うし、肯定的なリアクションを返せば「自分の価値観を認めてくれた」と思ってくれます。

【Tips】相手の価値観に共感できなかった場合

もし自分が相手の価値観に共感できないのであれば、

  • 「◯◯はそんなふうに思うんだね~」
  • 「へぇ!そういう考え方もあるかー!斬新!」
  • 「今までそんなふうに考えたことなかったなー。着眼点面白いね~」

というように返せば、相手に不快感を抱かせずに済みます。
ここで注意したいのは、相手は「わざわざ自分の内面を曝け出してくれた」という重さを知ることです。

誰だって自分の価値観を否定されるのは悲しい

誰だって自分の好きなものや考え方を否定されるのは、とても悲しいものです。否定するのは言語道断ですし、取り繕ってバレバレの嘘のように大袈裟で肯定的なリアクションをとるのも、正直逆効果です。(だいたいバレてます)

無理に共感する必要はありません。ここで嘘を付いて「わかる~!私も◯◯って思うんだよねー!」って言ってしまうと、その場は良くても後々面倒な事態になります。笑

「なるほどね」
「◯◯はそう思うんだね」

超簡単な肯定だけで充分です。

5、【自己開示】自分の素の話をちょっとだけしてみる

ここまでは基本的に「相手の話を聞く」と「質問する」という少し受け身の話をしてきました。

それでも会話というものは、ずっと聞いているだけでは飽きてしまうし疲れてしまうものです。そこでテクニック的なものをひとつ紹介します。

「自己開示」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
文字通り、「自分のことを開いて示す」の意であり、わかりやすく言えば「自分のことや自分の思うことを、自分から開いて示してみること」です。

伍の型、「呼び水」の呼吸!

ちなみに僕はこれを、「呼び水」と読んでいます。

呼び水(よびみず) ポンプの水が出ない時、上から別の水を入れて、水がくみ出せるようにすること。その水。比喩的に、ある事を引き出すきっかけを作るのに使うもの。  「彼の発言が―となって議論が活気づいた」

Oxford Languages

自分のことを少しだけ話すことで、相手に安心感を抱かせる効果があります。相手にずっと喋らせていると、時に「自分ばかり喋ってるな」「この人、何を聞き出そうとしてるのかな?」と相手にいらぬ勘繰りをさせてしまうこともあります。

もしくは「相手からいろんな話を聞き出してみたいのに、どうにも警戒心が高くてなかなか話してくれない…」というような状況にも使えます。

ポイントは「相手が喋りやすくなるように」

方法は簡単です。「自分のことをちょっとだけ喋ってみること」です。
ポイントは「あくまで相手が喋りやすくなるように、先に(後に)自分も内面を少しだけ曝け出す」ことです。

つまり、「自分のターンだと勘違いして、喋りすぎないようにすること」です。

会話というのは、どちらか一方が喋り続けるものではありません。ふたりがお互いに適度に喋ったり聞いたりすることで、リラックスしたまま楽しくお話ができます。

会話はバランスが大事

相手にばかり喋らせ続けるのも良くないですし、自分ばかりが喋り続けてしまうのも相手に「めんどくさい人だな…」と思わせてしまう要因になります。
何事も塩梅(あんばい。バランスのこと。)が大事です。

この自己開示のテクニックが上手に使えれば、相手が気持ち良く話してくれたり、自分の価値観を知ってもらうこともより簡単になります。

相手→自分→相手のパターン
相手「私、◯◯って◯◯な感じに思うかな~」
自分「なるほどね!それで言うなら俺は◯◯な感じかな~」
自分「◯◯ちゃんはさ…(相手に話を戻す)」

自分→相手→自分のパターン
自分「◯◯ちゃん、どう思う?」
相手「……。」
自分「えっとね、俺は◯◯の話で言うなら、◯◯って感じで思うんだよね~」
相手「あぁ、それなら私は…」

まとめ「みんな我流なら、そりゃ難しくもなるよね」

たくや

コミュニケーションなんてたったの3要素

最初に想定していたより随分と長くなってしまいました。笑
コミュニケーションは、「聞いて」「話して」「質問する」の3要素だけで成立します。

たったそれだけのことなんですが、だからこそ逆に「上手に聞くとは?」「上手に質問するとは?」となると、実はめちゃくちゃ言語化する部分が多くて、内容が詰まってしまいます。

みんな我流

会話や処世術というのは、各々が人生経験の中で身につけてきたものを無意識的に使っているというのがほとんどだと思います。それはつまり、言い換えれば「99%の人が、我流でやっている」ということです。

もちろんその我流が悪いわけではありません。中には我流を極めて、コミュニケーション上級者や化け物みたいになってる人も大勢います。

ある程度、チュートリアル的なものも必要かも

ただ、物事はなんであれフォーマットというか、「やり方」は存在するものです。会社では会社に必要なコミュニケーション能力があるように、またたびのようなシェアハウスコミュニティではまたたびコミュニティに必要なコミュニケーション能力が存在します。

シェアハウスまたたびの場合、
「”入り口のような軽い会話”はそこそこできるけど、”互いの内面を曝け出し合うような深い対話”ってどうやるの?」ってことになります。

今回このように文章として書いてみましたが、改めて「説明書」「ガイドブック」のようなものは必要だなぁと感じました。

番外編も書いてみます

今後また、書いてる最中に考えた「あれ、これも必要では?」となったものも、「番外編」という形で書いてみることにします。

  • 【番外編:ちょっと目次】
  • 挨拶+αをしてみる
  • 自分から話し掛けてみる
  • 相手の気持ちを想像してみる

それでは、最後まで読んでくれた方、お疲れ様でした。
より良質なコミュニケーションができることを願っています。